モーツァルトの悲劇 2019 8 18

書名 貧乏モーツァルトと金持ちプッチーニ
著者 正林 真之  サンライズ

「モーツァルトにマネージャーがいたら」
 世界一の音楽家というと、
モーツァルトであることを誰も否定しないでしょう。
 しかしながら、モーツァルトは貧困に苦しみ、
最後は、葬儀費用もなく、共同墓地に埋葬されたと言われます。
 モーツァルトの前に天才はなく、
モーツァルトの後にも天才は出現しないでしょう。
 21世紀になっても、
モーツァルトの楽曲を上回るものは出現しなかったかもしれません。
 モーツァルトに欠けていたものは、マネジメント能力でした。
しかし、音楽の天才に、そういう能力を求めるのは、間違いかもしれません。
 もし、モーツァルトにマネージャーがいたら、
35歳という若さで亡くなることはなかったかもしれません。
 モーツァルトとプッチーニの差は、
自分の才能をマネタイズ(資金化)できたかどうかの差かもしれません。
 著者は、こう言います。
確かに、モーツァルトには浪費癖があった。
 しかし、ポール・マッカートニーが、その浪費癖で貧乏になるはずがない。
彼は、自分の浪費以上に稼げているのだ。
(引用、以上)
 モーツァルトは、自分の才能を切り売りしてしまったのです。
自分の楽曲を売るよりも、使用料を徴収したほうがよかったかもしれません。
 絵画の世界でも同じでしょう。
ピカソとゴーギャンの才能は、同じだったかもしれません。
 しかし、ピカソは、資産を築き、
ゴーギャンは、貧困のまま亡くなっています。
 ピカソは、この本によると、
支払いは、なんでも小切手で払ったという。
 ピカソのサインがある小切手を銀行に持ち込むか。
当時でも、有名だったピカソのサイン入りの小切手は、
誰でも大事に保管していたでしょう。
 そうすると、ピカソの銀行口座の残高は減らず、
ピカソのサイン入りの小切手を持っている人は、
オークションに出せば、高値がついたかもしれません。
つまり、ウィンウィンの関係になったかもしれません。
 さて、才能をマネタイズ(資金化)するのは、
現代においても難しいかもしれません。
 クラウドファンディングという手法がありますが、
それでも、多くの才能が埋もれていくことでしょう。

宮澤賢治 2005 6 24
 知人から頂いた資料によると、
宮澤賢治は、自費出版をしていたそうです。
その作品は、「注文の多い料理店」だったそうです。
 しかし、同書は、当時、全く批評の対象にすらならなかったのです。
宮澤賢治は、生前に、出版社から原稿料を得たのは、たったの一度きりでした。
 これに対し、私が思うことは、
宮澤賢治は、大衆受けする「娯楽もの」を書けば、本が売れたのでしょうが、
それでは、宮澤賢治の名前は、歴史に残らなかったでしょう。
 同じ資料には、このような記事もあります。
「ゴッホは、存命中に、たった1枚の絵しか売れなかった」


























































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